読者の方より2025年9月に実施された準1級試験の問題および解答解説のご提供をいただきました。当方でも内容を確認し、必要に応じて補足を加えています。準1級を受験される方はもちろん、2級、1級の受験者にも有益な内容になると思います。
【問題31】
太平洋戦争下の日本酒に関連する出来事として誤ったものを選択肢より一つ選べ。
1:アルコール添加法の普及
2:酒類の配給制
3:級別制度の廃止
4:蔵元数の半減
- 解説(P132)
太平洋戦争1941(昭和16)年~1945(昭和20)年
1944(昭和19)年からアルコール添加法が普及した。1943(昭和18)年には、酒類が配給制になるとともに級別制度を導入。戦場悪化に伴い各地の酒蔵は統合や廃業を余儀なくされ、約8000件あった酒蔵は、戦後約4000件にまで減少した。
答:3:級別制度の廃止
【問題32】
1969年に導入され、日本酒の普及を後押しする契機の一つとなったものを選択肢より一つ選べ。
1:自主流通米制度の導入
2:酒類製造免許の規制緩和
3:酒類小売り免許の規制緩和
4:特定名称酒制度の導入
● 解説(P133)
1969(昭和44)年、自主流通米制度が導入され、それまで配給制だった酒米が、各酒蔵で自由に調達できるようになった。
答:1:自主流通米制度の導入
【問題33】
1950年に行われた全酒類の減税の目的を選択肢より一つ選べ。
1:角打ちの発展
2:密造酒の撲滅
3:輸入酒類の市場確保
4:桶買いの是正
● 解説(P138)
1949(昭和)年には国税庁も発足し、その後現行の酒税法が施行される。また、1950(昭和25)年には、密造酒の撲滅を目的とした全酒類の減税も行われた。
答:2:密造酒の撲滅
【問題34】
日本酒の級別制度が完全廃された年を選択肢より一つ選べ。
1:1990年
2:1992年
3:1994年
4:1996年
● 解説(P135)
1989(平成元)年に酒税法が大改正され、日本酒の級別制度廃止も決定。まずは一級、二級の2段階となり、1992(平成4)年4月1日に完全に廃止された
答:2:1992年
【問題35】
日本酒製造者が用いる、少し黄色がかった外観への表現を選択肢より一つ選べ。
1:サエ
2:ハリ
3:テリ
4:モネ
● 解説(P156)
日本酒製造者は、清澄度や透明感の高い外観を「サエがある」、少し黄色がかった状態を「テリがある」などと表現したり、濁りや曇り状態を「ボケ」「白ボケ」などと表現する場合がある。
答:3:テリ
【問題36】
熟成香の主成分を選択肢より一つ選べ。
1:グアニル酸
2:酢酸エチル
3:ソトロン
4:ジアセチル
● 解説(P158)コラム
時間経過で生じる熟成香の主成分は、褐変反応によりアミノ酸が分解して生成するソトロンとされる。
答:3:ソトロン
【問題37】
メイラード反応により褐色化をもたらす成分を選択肢より一つ選べ。
1:リンゴ酸
2:クエン酸
3:アミノ酸
4:酒石酸
● 解説(P158)コラム
時間経過で生じる熟成香の主成分は、褐変反応(メイラード反応、またはアミノカルボニル反応)によりアミノ酸が分解して生成するソトロンとされる。
答:3:アミノ酸
【問題38】
温度の高い方がよりコクや厚みを感じやすい酸を選択肢より一つ選べ。
1:リンゴ酸
2:クエン酸
3:酒石酸
4:乳酸
● 解説(P163)
リンゴ酸、クエン酸などは、温度が低い方がより爽やかに感じられ、乳酸は温度の高い方がよりコクや深みを感じやすいとされる。
答:4:乳酸
【問題39】
日本酒中に含まれる旨味の量を選択肢より一つ選べ。
1:ビールの約13~16倍
2:ビールの約10~13倍
3:ビールの約7~10倍
4:ビールの約3~7倍
● 解説(P164)
日本酒に含まれる旨味成分は、ワインの約2~3倍、ビールの約7~10倍に相当する。
答:3:ビールの約7~10倍
【問題40】
日光臭が生じた日本酒に含まれる香りの成分を選択肢より一つ選べ。
1:メルカプタン
2:酢酸エチル
3:ジアセチル
4:脂肪酸
● 解説(P175)※13(語彙説明)
日光臭は、紫外線の影響で、日本酒中の成分が分解されて生じる香り。成分は傷んだ玉ねぎやガスに例えられるメルカブタンなどである。
答:1:メルカプタン
※酢酸エチル:接着剤のような臭い。速醸系酵母は、醪の発酵中に酵母が生成し、生酛系酵母は酒母
の育成時に産膜酵母が生成する。
※ジアセチル:つわり香の成分。発酵バターやヨーグルトのような不快な甘さ。
※脂肪酸:吟醸酒の貯蔵や出荷時の不備で生じる油や樹脂のような臭い
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