日本酒造りでは、発酵を安定させるために「酒母(しゅぼ)」という工程で酵母を増やします。
この酒母造りにはいくつかの方法があり、その中で**乳酸を添加して作る方法を「速醸系酒母(そくじょうけいしゅぼ)」**と呼びます。
現在、日本酒造りで最も多く使われている酒母の方法です。
速醸系酒母とは
速醸系酒母とは、酒母造りの際に乳酸をあらかじめ添加する方法です。
乳酸を加えることで酒母の中が酸性になり、雑菌の繁殖を抑えることができます。そのため、酵母を安全に増やすことができ、安定した酒造りが可能になります。
この方法は効率がよく、多くの酒蔵で採用されています。
現在では、日本酒の約90%が速醸系酒母で造られているといわれています。
生酛系酒母との違い
速醸系酒母と対比される方法として**生酛系酒母(きもとけいしゅぼ)**があります。
生酛系酒母では乳酸を直接加えず、乳酸菌を自然に増やして乳酸を作る方法が用いられます。そのため、仕込みに時間と手間がかかります。
生酛系酒母の代表的な方法には次のものがあります。
生酛(きもと)
酒母用の蒸米をすり潰す「山卸し」という工程がある伝統的な方法(全体の約2%)
山廃酛(やまはいもと)
重労働である山卸し工程を省いた方法(全体の約8%)
酒母の種類と割合
日本酒造りで使われる主な酒母は次の3種類です。
- 速醸系酒母:約90%
- 山廃酛:約8%
- 生酛:約2%
このように、速醸系酒母が現在の日本酒造りの主流となっています。
まとめ
乳酸を添加して酒母を造る方法は速醸系酒母と呼ばれます。
速醸系酒母は
- 乳酸を添加して雑菌を抑える
- 安定して酵母を培養できる
- 日本酒の約90%で使用されている
という特徴があり、現代の日本酒造りの中心となる酒母造りの方法です。